最終章

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心地好い夕方の風邪が俺の病室に入り込む。 気持ちいいくらいの夕陽の光。 まだ意識は遠く感じるが、体の感覚は少し戻ってきた。 それと同時に訪れる激痛。 今まで感じた事の無いほどの傷口の熱からくる暑さと絶望感。 本当に治るのだろうか……… さっき誰かがつけたテレビでは小学生向けのアニメが絶え間無く流れている。 はぁ……… 早く退院して、操作を続けなければまた新たな犠牲者が出てきてしまう。 いったい誰が、何の為にあんなゲームを開催してると言うんだ? 俺にはさっぱり理解出来ない。 頭のイカれた奴の暇つぶしにすぎないのか? ベッドの横には自分の鞄が置かれていた。 手に取り、中身を確認する。 捜査の資料がこれでもかと詰め込まれている。 適当に一つを手に取り目を通す。 だが新事実など隠れているはずもない。
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