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一週間後、術後の経過が良い純子は一般病棟へ移された。
「どう、調子は?」
お見舞いに来た雪絵が尋ねた。
「うん、すこぶる快調だよ。ありがとね、遠いのに」
「遠いから合いにきたのよ。近かったら『いつかいつか』って来れなかったかもよ」
ふふっと笑った。
「髪の毛切られちゃってショックだわ。また伸ばさないと……」
「短いのも似合うわよ」
チラッとドアへ目をやるとドアのガラスに修一の姿ががスッと映った。
「しゅ……」
「どうしたの?」
純子の様子に雪絵が声を掛けドアを見た。
「ううん、何でもない」
雪絵に笑顔を向けると純子はさっきの話を続けた。
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