自覚

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 少年が外に出ると、同年代に見える少女が膝から血を流していた。 犬は紐に繋がれていたのだが、少女は吠え声に驚いたらしい。     「血が出てるじゃないか!うちに寄って。消毒をしよう。」   「いえ、大した傷じゃないわ」    少女は顔を上げた。      肩の辺りで切り揃えた、少し暗めの、栗色の髪が揺れる。 肌は透けそうな程に白いが、驚いた為に青味がかっている様だ。 大きな瞳と長いまつげが印象的だった。      少年は絶句した。 この辺りでこんなに綺麗な娘は見た事が無い。     「……で…でも、バイ菌が入ったらいけないから。」    やっとの事で声を発し、腕を引いて家に向かった。
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