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私の住んでいる地区と、通っている高校がある地区はだいぶ離れていて、高校のある地区はこの島でも中心的で拓けた場所だが、私の住んでいる地区は山と海しか目に入らないような場所だった。
一つの山を超えるため、とても徒歩では帰れないし、車がないとスーパーにも行けない不便で仕方の無い、田舎。
そんな田舎の風景は、私の横でびゅんびゅん過ぎる。
がこん、サード。
右手には凪いだ海。父が開けた窓から風がなだれ込む。鼻孔いっぱいに潮の香りが広がった。
左手には岩肌の露出した山。父にならい私は窓を開けた。
先ほどふった雨のせいで、岩肌を小さな滝になって水が滑り落ちている。
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