28人が本棚に入れています
本棚に追加
「夕飯、なんだろーな」
ハンバーグ食べたい気分なんだよね。そんな返事はしない。私が返事をしなければ、父さんの発言はただの独り言になる。
私はおもむろに音楽プレーヤーを取り出して、イヤフォンを耳につけた。
適当に再生された曲は、空気を読んだように、夏の夜を歌ったミドルテンポの曲だった。
もう何回も繰り返し聞いた曲。私のお気に入りだ。
このまま目を閉じれば、凄く良い夢、見られるきがする。今。ほら風はこんなに気持ちいいし。
部活に疲れた私の体は今すぐにでも眠りに落ちられる状態だった。
『落ちる、花火、最後の、花火、私の夏はまだ、はじまっていないけど。?』
しかし、夢一歩、手前、サイドブレーキの音で現実に引き戻される。
「ついたぞー」
気がつけば、もう家の前だった。
最初のコメントを投稿しよう!