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『目覚めよォオオオ!!選ばれし王子達よォオ!』
「………」
『めっ目覚めよォオオ!!』
「……スー…」
『……あのォ、目覚めて、頂けますか…?』
「…ぐぉー……」
『………ぐす…』
次に銀時が目を覚ますと、そこは森なのか、山なのか。
緑に囲まれた草の上にいた。
心地良い風が頬を撫でる
「……。…!?」
ガバッと起き上がるのにワンテンポ間が必要な程信じられない状況だ。
「…え……は?」
漏れた言葉は爽やかな風に運ばれて、消えた。
「あ、旦那ァ起きやしたかィ。」
「っ!?」
ぐるっ!と勢いよく声の方を振り向くと、寝ている土方の顔に白いスカーフをかけ、周りに花を散らしている沖田がいた。
土方の手はしっかりと腹の上で組まれており、緑に囲まれ、花に囲まれ
土方をあの世へと送る儀式が開かれていた。
一見、場所が場所なだけあってか、神秘的な雰囲気を漂わせているが
やってる事は最悪だ。
しかし銀時にとって重要な事はそんな事ではない
「なんで総一郎くんがいるわけ?
なんでマヨネーズまでいるわけ?
てか、ここ何処だよ!」
銀時の動揺したような叫びに対し、沖田は相変わらずのポーカーフェイスで「旦那、総悟です。」と訂正を入れ
一通り花を散らし終えた手をパン、パンと叩くと
「俺もよくわからないんでさぁ。
自室で寝てたはずなんですけどねィ、起きたら…まぁこの通りでィ。」
やれやれ、と肩を竦める沖田は、あまり危機感など感じていないようだ。
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