プロポーズ

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『えーーーっ!?結婚!?』 『ち…ちょっと、声が大きいよ、沙耶』 あたしは、沙耶の口を押さえて、周りを見回す。 『智貴、プロポーズしたんだぁ』 『う、うん。この間ね』 『智貴、高校の時から美緒にゾッコンだったもんね。いつかは…って思ってたけど、また、急な』 『やっぱり…?』 『けど、いいんじゃない?つきあいも長いんだし。あーぁ、美緒も人妻になるんだぁ…』 『人妻って…。何かやらしいよ』 あたし達は、顔を見合わせて笑った。 沙耶は、びっくりしつつも祝福してくれた。 今週は、お互いの両親に報告しに行く。 久しぶりに地元に帰る事になるかな。 お互いのうちには、行き来もあったし、付き合ってる事も知ってる手前、挨拶しやすいんだけど、やっぱり改めてとなると緊張するわけで…。 智君の車の中では、2人で挨拶の言葉を考えてた。 『何か、緊張するね…』 『オレ、ちゃんと言えるかな』 『美緒さんと結婚させて下さいって?』 『他に何かあるか?』 『美緒さんは、僕の全てです!!』 『…………………』 『…………ウソです(泣)』 今の智君には、冗談が通じないくらい緊張してるみたいだった。 最初に行ったのは、智君の家。 智君の両親は、快く受け入れてくれた。 『二人が決めたのなら応援するよ。頑張りなさい』 『何か思い出しちゃうわね。あたし達が結婚した時の事。ね、あなた』 智君の両親は、優しい感じの人で、ちょっと安心。 その後、あたしのうちへ。 普段から無口なお父さんが、更に無口になってる。 でも、智君の挨拶の後、お父さんは深々と頭を下げた。 『我儘な娘だが、よろしく頼む』 めったに、頭なんて下げないから、びっくりしたけど。 でも、嬉しかった。 『美緒、おめでとう』 お母さんも、涙ぐんで祝福してくれた。
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