記憶

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「クロウ…… 俺の名前はクロウ……」 クロウも自分につけられた名前を、どこか気に入っている様子だ。 「ところで、クロウはこれからどうするんだ?」 ディックはクロウに尋ねる。 「……これから俺は何をすればいいんだ?」 クロウは逆にディックに尋ねる。 「何をすればいいって…… 自分のしたい事をすればいいんじゃないか?」 ディックはクロウにそう言った。 「自分のしたい事……」 クロウは考え込んでしまった。 「無いのかよ……」 ディックは顔を引きつらせた。 「感情が欠落しているのね……」 エイデルはそう呟いた。 「感情が欠落しているってどういう事ですか?」 リリィが尋ねる。 「意味はそのままよ。 理由は長い間洗脳されていたから、自我が出なくて多分そのせいで……」 エイデルは自分の考えを説明する。 「……どうすればいいんですか?」 ルーシャはエイデルに尋ねる。 「分からないわ…… でも、感情は奪われてるわけじゃないと思うから、生活をしていくうちに感情が芽生えるんじゃないかしら……」 エイデルはクロウを見つめた。 「じゃあ俺達と一緒に行動するか!」 ディックはクロウにそう提案する。 「そうね。それが一番だと思うわ」 リリィ達はディックの考えに賛成した。 「……分かった」 クロウはディックの提案に乗った。 「よろしくな!」 ディックはクロウの肩をポンポンと叩いた。
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