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「ヘイ!お待ち!
鶏ガラピリ辛醤油DX、チャーシューメンマ大盛りのあがり!
冷めないうちに食べろよ!」
そう言って男性は両手で運んでいたラーメンを、テーブルの上に置いた。
置かれたラーメンはスープが若干赤く、チャーシュー、メンマがたくさん乗ったちぢれ麺のラーメンだった。
「ようやくきた!
いただきまーす!」
ディックはすぐに箸をつけ、ズルズルとラーメンをすすった。
「やっぱり、うめぇ!
早くお前も食べろよ!」
ディックは満面の笑みを浮かべ、クロウにそう言った。
言われた通りクロウはすぐさまラーメンをすすった。
「……何故だろう。懐かしい気がする……
それにもっと食べたいという気持ちが……」
クロウはそう言って、どんどんラーメンを口に運ぶ。
「きっと記憶を無くす前に食べてたんだろうよ。
それにその気持ちは食べ物を美味しいと思う『感情』だ」
ディックはクロウの言葉にそう答えた。
「これが感情……
……むっ、もう無くなってしまった……」
クロウは空になった器をみて残念そうにした。
「早っ!もう食べたのか……」
クロウの前にある空になった器を見つめ、ディックは唖然とした。
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