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「よし!さぁ行くぞ!」
ディックは槍を背中に背負い、クロウと共に南の岩地に向けて歩きだした。
街を出て、少し歩いた所に弓と矢筒を背負った、見慣れた黒髪の少女が歩いていた。
「あれは……
おーい!ルーシャー!」
ディックはその少女、ルーシャに声を掛けた。
「??
ディック!?それにクロウも!?」
呼ばれている事に気付いたルーシャは、声のする方を向き、ディック達の姿を見て驚いた。
「ひょっとして、ルーシャも南の岩地に行くのか?」
ディックがルーシャに尋ねる。
「あ、ディック達も行くんですか?私もそうですよ。少し気になる事があって……」
ディックの問いかけにルーシャはそう答える。
「魔物の事か?気になる事って」
「はい。あそこには確か、人を好んで襲うような凶暴な魔物はいなかったはずですから……」
ディックの質問にルーシャはそう答えた。
「……ルーシャもそう思ったんだな。
俺もそこが気になって……」
そう言ってディックは顔をしかめた。
「そうですか……
もう少しで着くので早く行きましょう」
ルーシャがそう言った後、3人は南の岩地に向って歩きだした。
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