どんなときも

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勉強することはあんまり嫌いではない。 好きでもないけど。 部室に行くには体育館の脇を通って(これが狭くてさ、部員以外にはあまり知らない道でさ。数学の元川も知らなかったし。部員以外使わないんだ)ちょっと開けた場所があって、さらに細い道を少し歩くと部室に着く。 狭い道。 人と人とがすれ違うのも厳しい。 しかも木の幹が出っ張ってるから余計通りにくい。 開けた場所辺りからボールを蹴る音がする。 あれ? 誰かいるのかな? いるとしたらサッカー部だよな。 先輩? いや。 先輩は午前授業だから今日はもう帰ったはず。 もしそうだとしたら、挨拶とかしなきゃだからメンドくせぇ。 やっと開けた場所に出た。 そこにいたのは僕と同じ一年だった。 良かった。 先輩じゃなくて… そいつらは五人くらいで体育館の壁に向かってサッカーボールを蹴っていた。 一年ならスルーでいいや。 と思ってチラッと見ると。 体育館の壁に追いやられるようにして少女が立っていた。 それに五人は壁にただボールを蹴るのではなくて。 その少女に向かって蹴っていた。
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