どんなときも

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さらに五人組はサッカー部ではなかった。 これってさ… あんまりこういう自分は好きじゃないんだ。 怒鳴ったり。 注意したり。 人に説教したり。 でも、気付いたら。 スポーツバッグを投げだし、走り出していた。 「ねぇ、何してんの?」 五人は壁にボールを蹴るのをやめ、こちらを振り返った。 やっべ、サッカー部じゃん… みたいな顔を五人が五人ともする。 ウチの学校じゃサッカー部は規模が一番大きい部活で。 だからってわけじゃないけど。 サッカー部ってだけでヤンキー(?)みたいな扱われ方をする。 まあ、僕は心優しい少年だけどね。 「何してんだって聞いてんだよ」 今回はヤンキーが生きた。 たまには使えるなヤンキー。 「そのボール。部のなんだけど。許可取ってんの?」 僕は一気に畳み掛ける。 「無許可ならさ。ウチの顧問も黙ってねえよ」 五人組は居心地悪そうに足元のボールを押し付けあっている。 五人組はすぐ折れた。 「チッ…行くぞ」 そう言って去っていった。 とにかく一段落。 じゃねぇ。
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