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7回の裏の攻撃が終わり、守備につくまえの峰ヶ丘高校ベンチの空気は重い。僅か1球…それだけの球が勢いづいていた空気を切り裂く。
瀬「流石に…驚いた…」
ぽつりと瀬能がもらした言葉に周囲が同意する。
そんな中、結城がうなだれて頭を下げる。
結「すみません…折角の同点のチャンスを…」
森の球に呆気にとられてベースに戻ることが出来なかったことを悔やむ結城に瀬能が言葉をかける。
瀬「気にするな…どっちにしてもあのままじゃ点は入らなかった…バットに当たらないんだからな…」
チームの中で久遠、甲斐に次ぐバットコントロールの瀬能をして当てることが出来ないと言わしめる森に周囲がさらに驚愕する。
陸「そんなに…なのか?」
瀬「あぁ…150…後半は出ていたと思う…」
そう、森の直球が記録した球速は158km…高校生が残した歴代No.1と並ぶ数字であった…
瀬「でもな…次の回なら当てることくらいなら可能だ…」
甲「だな…」
久「そうだね」
まだ周囲が呆気にとられる中の瀬能の言葉に甲斐と久遠が同意して言葉を続ける。
久「さっ、しっかり守ろう。これ以上離されると厳しいからね」
巽「あぁ…」
試合は既に終盤。1点すら与えることが出来ない局面で瀬能は8回のマウンドに向かう。
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