たった一試合のエース

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一打同点いや逆転の場面でのクリンナップの登場に峰ヶ丘高校の応援が過熱する中、西京学園ベンチから伝令が出る。 審判と城に何かを告げると城は香月の元へ歩みよる。 城「…交代だ」 告げられることがわかっていたように「あぁ…」そう一言だけを残して香月がマウンドを降りる。 その姿を見たスタンドからは声が飛ぶ。 「よくやった。甲子園でも期待してるぞ」 「エースはお前だっ前を向けっ!」 香月はその声に一礼をするとベンチに戻る。 替わりにベンチから出てきたのは背番号11番をつけた大柄な少年であった。その体格は尾藤と比較しても決してひけをとらない長身にしっかりと肉がついている。 少年はマウンドに上がると城からボールを手渡される。 城「最初から飛ばしていくぞ…」 森「もちろん」 城がホームに戻り投球練習をはじめる。 ズバンッ!ズバンッ!ズバンッ!ズバンッ! 間髪入れずに直球を投げ込むのを見ていた瀬能が思う。 瀬「(速い…な…2年か…しらない顔だが…)」 ズバンッ!ズバンッ!ズバンッ! 規定の投球数を終えて瀬能が打席に入る。
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