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ゆっくりとマウンドに向かう瀬能は巽の方を見て軽く頷く。
瀬「(ここからはもうごまかしは効かない…)」
城は巽に告げた。「なめていた」と…それは、瀬能と巽が仕掛けた罠に気付いたと言うことであった。
阿久津、城、東條には万全の時とかわらない球で抑え、瀬能の高速スライダーを見たことの無い野村と柳にはただの高速スライダーを見せることで瀬能復活を印象つけた。
それに加え、わざと配球を単調にすることで巽を「ただの瀬能に引っ張られるキャッチャー」と侮らせることで、緩急の目の錯覚を利用して力を抑えた直球を速く見せた。
全ては瀬能が万全ではないため…保険に保険を重ねて投げ続けていた。
しかし…それはもう通用しない…王者の打線は目を醒ました。
瀬「(ここからは誰ひとり…簡単には打ち取れ無い…)」
巽「(1球のミスで終わる…だが…)」
瀬・巽「(…抑える)」
瀬能の巽の意思が繋がり合う。
2番の竜野を打席に迎えて、瀬能が大きく振りかぶる。
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