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でも…と、仁美はさらに言葉を続けてきた。
「さっき少し話したけど、話しやすくていい人そうだったよ」
そう言いながら、女子の輪の中心にいる上条弘也に視線を向ける仁美。
自然とあたしも奴を見る。
そこには相変わらずヘラヘラと笑う奴と、ニコニコする女子がいて、あたしは顔をしかめた。
「軽い男だから女の扱いに慣れてんでしょ。見てよ、あの顔」
そう言って仁美を見ると、仁美は奴のほうではなくあたしをじっと見ていた。
「な、何?」
思わず少し身構える。
「いや……百合って恋したことあるのかなぁって思ってさ」
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