第一話

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  「ゆ~り!聞いた?今日このクラスに転校生くるんだって~!」 登校して早々、あたしの後ろに座る仁美が声をかけてきた。 「あぁー。それでみんな騒いでんだ」 そう言いながら荷物を片付けた。 「男かなー?イケメンだったらいいなっ!」 そう言う仁美の顔は少しにやけていた。 「好きだねー、そういうの…」 「百合さぁ、そういうのにもうちょっと興味ないの?」 仁美が目を細めて、怪訝そうに聞いてきたけど、あたしはそれを、ない!とバッサリ切り捨てた。 「もったいないなぁ…。百合、自分が思うより美人なんだよ?まぁ性格はちょっとキツイけど」 後半は明らかに嫌みだ。 あたしは仁美を冗談交じりに睨んだ。  
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