第一話

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  教壇の前に立つ男は、明るい髪色で、転校初日で早くも制服を着崩していた。 こちらは転校初日で控えたのだろう、耳にはピアスの穴が幾つかあった。      ・・・ この時点でアウトだ。 あたしの嫌いなタイプ。 いわゆるチャラ男。 「どーも!親の都合で越してきました、上条弘也(かみじょうひろや)と言います♪ちなみに彼女いません!よろしく~!」 …おまけに発言が軽い。 挨拶で彼女いる、いないを言うなんて… あー、あたし多分愛想笑いすらできないや、こりゃ。 なんて苦笑いを浮かべていると、教室の至る所からカッコイイという声が聞こえた。 あたしは嫌な予感がして、恐る恐る振り返った。 すると案の定、転校生に見とれている仁美がいた。  
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