第一話

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  まだ真新しい学校指定の鞄を持って、転校生がこっちへ近いてくる。 あたしはその存在を否定するかのように、窓の外を眺めていた。 これから仁美に話しかけにくくなるなぁ…。 そう思うと、今日早くも2回目のため息がこぼれた。 朝のHRが終わると、あたしの席の近くに人が群がった。 正確にはあたしの斜め後ろに。 正確には女子が群がった。 「ねぇねぇ、どっからきたの~?」 「彼女いないんだってぇ?」 「メアド教えて~?」 …あぁー、うるさいしウザい。 あの猫撫で声をどうにかしてほしいよ、ほんと…。 そんな事を思っていると、誰かに肩を叩かれた。  
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