第一話

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  少し驚いて振り返ると、そこには仁美がいた。 「なんだぁ、仁美かぁ。何?」 何?と聞いたものの、なんとなく言いたい事は分かる。 というより仁美の目がそれを語っている。 「転校生クンは百合の目にはどう映ってるのかなぁって」 にやけながら聞いてくる仁美。 何を期待しているか知らないけど、仁美が思うような事はない。 「あぁ。あれはないよ」 「うわ、相変わらず毒舌」 毒舌というか…あの挨拶だけで普通の人は無理だと思うけどな…。 「いや、だってあの挨拶はないでしょ?」 あたしはたまらず仁美に同意を求めた。 すると仁美は、まぁね、と少し濁しながらも納得した感じだった。  
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