有明先生の出張

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素直に頷く瑞穂を見て、有明は満足そうに微笑んだ。 瑞穂がつられて微笑むと、有明が愛おしそうに瑞穂の頬をひとなでした。 ゆっくりと有明の顔が瑞穂の顔に近付いてくる。 瑞穂がそれに合わせて目を閉じた瞬間 ―ピンポーン― ―ガチャガチャガチャッ― 「おーい有明ぇーっ!居ないのぉー?」 ―ガチャガチャガチャッ― この声は… 加津佐だ…。 「あーりーあーけぇー!」 加津佐の有明を呼ぶ声がますます大きくなる。 「雪人さん…加津佐さんが呼んでる」 「居留守にしていいから」 「え、でも」 有明が瑞穂の肩を掴んだままその場から動かないでいると、加津佐の声の後にもう1人別の人物の声が重なった。 「ちょっとー有明居ないのー?居ないんなら勝手にあがるわよー?」 「あ、国見さんもいる」 有明は居留守がバレていることに気付き、ハァと一息ため息をついて玄関に向かいドアを開けた。
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