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「なぁんだ居るんじゃん」
「…どうせわかってて騒いでたんだろ」
「そんなことないわよー?」
有明がドアを開けて2人を中に招くと、加津佐が足元にある一足の靴に気が付いた。
「ははーん、なるほどねぇ」
「なんだよ急に」
加津佐の反応に有明が訝しがっていると、後から入った国見もすぐに気付く。
「ははーそれで居留守使ったわけね」
「んもぅ有明先生のえっち」
「な…!?」
瑞穂がいることに気付いた2人は、有明と瑞穂がお取り込み中だったのだと勘違いして冷やかした。
「何勘違いしてるんだよ!」
「何が勘違いなんですか?」
有明がハッと振り向くとそこにはキョトンとした瑞穂の姿。
ついでに言うと、2人はまだ清い関係のままだ。
…一応。
それなのに瑞穂に変に勘繰られてはかなり困る。有明は焦って「なんでもないよ」と言いながら瑞穂の背中を押して部屋に入った。
後ろでは加津佐と国見が肩を揺らして笑いを堪えている。
瑞穂が見ていない隙に加津佐の頭にげんこつが降ったことを瑞穂は知らない。
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