有明先生の出張

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「へー先生でも出張とかあるんだぁ」 国見が加津佐の隣に座りながら言った。 有明と瑞穂はその向かい側に並んで座る。 「出張先の高校が土曜日に老人ホームの人達と交流会を開くんだ。そこの高校はボランティア活動に力を入れてて、外国の高校とも交流が深くてさ。うちももう少しそういう機会を増やしたいらしくて、まぁ…勉強しに行くって感じだよ」 「ふぅん…」 国見は持参したスーパーの袋から缶ビールを数本取り出すと、そのうちの1本を有明にポイッと投げて渡した。 「あ、リサ俺にも…」 「ねぇ有明」 国見は加津佐を無視したまま袋の中に残っていた缶ジュースを取ると瑞穂に手渡した。 「え!?リサ俺のことは無視!?」 「週末車使わないならちょっと貸してくれない?」 「ねぇリサぁ~」 さすがに加津佐が可哀相だったので瑞穂は缶ビールを取って渡してやる。 一瞬やっと構ってもらえたと嬉しそうに笑顔を浮かべた加津佐。 が、渡したはずの缶ビールは横からあっさりと国見に奪われ、加津佐はすっかりしょぼくれてしまった。
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