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「車は使わないから別に構わないけど、どこか行くのか?」
有明が缶ビールを一口飲んで聞いた。
「私この間部屋の模様替えしたって言ったじゃない?それで新しい家具を1つ増やそうと思ってるんだけど、車がないと運べないのよ」
「ふぅん、まぁいいよ使っても。ただし!傷付けないことと事故を起こさないことだけは約束しろよ」
「はぁい」
国見は片手を挙げて答えた。
「国見さんお部屋模様替えしたんですか?」
瑞穂が興味をひかれて国見に問う。
「そうなのよー最近タケルが入り浸り始めたから物が増えてゴチャゴチャしてきてて」
「え、俺のせいだったの?」
「そうよー気付かなかったの?」
加津佐が国見の隣で涙目になっている。
相変わらず国見は加津佐に意地悪だ。
けれど瑞穂は思った。
国見は加津佐がもっと自分の所に居やすくなるように模様替えをしたんじゃないのか、と。
そうじゃないと国見のことだからとっくに追い出してるに決まっている。
瑞穂は、しょんぼりする加津佐を笑いながら慰める国見を見つめながら、そんな風に思った。
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