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「いや…なんでもないよ」
有明はきょとんとする加津佐の横を通り過ぎてソファーに座った。
「なんかあったの?晴ちゃん絡み?」
「……」
浮かない顔の有明を見て加津佐は有明の隣に腰掛けて聞いた。
「何?まさか有明があんまり構ってやらないからフラれたとか?」
ゴツンッ
「いったぁいっ!」
「そんなんじゃない」
「じゃあどうしたんだよー喧嘩?」
「違う」
「なんなんだよもう!…とりあえず何か飲もうぜ」
有明の部屋に居るにも関わらず加津佐が勝手に冷蔵庫に飲み物を取りに立ち上がった時、ボソリと呟く声が聞こえた。
「ん?何?」
有明がもう一度小さくこぼす。
「見合い…しなきゃいけないかも」
「は!?え?見合い?」
有明は聞き返してきた加津佐にコクンと頷いて返した。
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