加津佐さんの失態

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「また面倒なことになっちまったな」 「本当に…」 「…とりあえずビールでも飲もうぜ。一息つけばいい考えも浮かぶかも。俺がこの間買ってきたビールまだ残ってる?」 「まだ何本かあるよ」 加津佐は立ち上がり台所へ向かった。 冷蔵庫を開けて中から缶ビールを2本取り出す。 冷蔵庫のドアを閉めながら加津佐は有明に向かって大声で話しかけた。 「でもさー有明。ある意味幸せかもしんないぜ?お前がその見合い話を受けて理事長の孫と結婚したら逆玉ってことだろ?そうなったら将来は約束されてるし…あ…!!」 加津佐の声が不自然に途切れたので、有明は顔を上げ加津佐の方を見た。 「加津……!!」 ソファーに座る有明。 台所からリビングに戻ってきた加津佐。 そしてその2人の視線の先。リビングの入口のドアの所に立っていたのは 「…晴」 手にケーキ屋の白い箱を持った瑞穂が顔を歪めて立っていた。
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