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「ありがとうございましたー」と、コンビニのお姉さんが背後から明るく声をかけているのが耳に入った。
そんなお姉さんに「どういたしましてー」と心の中で返事をする1人の男。
男の名は布津大介。
今夜も最近やたらと大人びてきた弟と強い母親に頼まれて(というか半ば命令されて)コンビニにアイスを買いに来ていた。
「俺年々弱い立場になってる気がする……」
布津は誰に言うでもなく溜息混じりに呟いていた。
ぼんやり足元を見ながら歩いていた布津の右側の視界に、見覚えのあるものが映ったように見えた。
布津が顔を上げ右側を見る。
「おわぁっ!!何してんだよ瑞穂!?」
そこにいたのは虚ろな目をした瑞穂だった。
「布津……?」
「へ?」
瑞穂の反応は明らかに今布津の存在に気付いたようなそぶりだった。
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