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「って、何してんだよ!」
そう言って跳ね起きた……いや、跳ね起きようとした俺、冴島 譲(ユズル)の顔(具体的には唇)に、柔らかな感触の何かが張り付いている。
しかも、身体に何かが乗っかっている為、身動きが取れない。
と、顔から謎の感触が離れる。
いや、分かってるんだよ。
分かってはいるんだけどよ……認めたくねえんだよ、実の……その、肉親に目覚めのキスをされたなんて!
「あ、やっと起きた。 おはよう、ユズちゃん」
そう言って俺の顔を覗き込んできたのは、見た目16歳程度の少女……のような外見をした女だった。
「おはようじゃねえよ母さん! 実の息子の寝込みを襲う母親が何処の世界にいるってんだよおいこら!!」
「そんな事を言っても、もうお昼の10時なのに起きてこないユズちゃんが悪いと思うのよ、お母さんとしては」
そう、何を隠そう俺に馬乗りになって唇を奪ったこの女、冴島 柚葉(さえじま ゆずは)は、俺の実の母親だったりするのだ。
「だからって息子の唇奪うか普通!? てか、起きたんだからさっさと退けよ!!」
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