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あれ? 今なんか不吉な声が聞こえたような……。
「何よ、意外と元気そうじゃない」
うん、気のせいじゃねえな。
「……何だよ妃芽、満身創痍の幼なじみにトドメでも刺しにきたのか?」
「そんな訳無いでしょ! 昨日は流石に悪いと思ったから謝りに来てあげたんじゃない!」
そう言って、俺の幼なじみの羽仁康 妃芽(はにやす ひめ)は俺を睨みつけてきた。
ったく、朝っぱらから相変わらずだなこいつは。
「で、どうなのよ? その……下段蹴りが当たっちゃった所は?」
頬を赤らめながら妃芽が指差した箇所は……そう、男にとって最大の急所。
「年頃の女が人の股間を指差すなよおい。 ……まあ、潰れちゃいねえよ」
「そ、そう。 まあ、良かったじゃない。 性転換する羽目にならなくて」
ったくこいつは、もう少し言いようは無いのかよ。
まあ、一応ちゃんと心配はしてくれてたみてえだし、こいつなりの照れ隠しとでも思っとくか。
「てか、何が悲しくてせっかくの春休みに空手の有段者とガチバトルしなきゃならねえんだよ……」
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