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「何だよあいつ、朝っぱらから機嫌悪いな」
「んー、ユズちゃんのせいだと思うのよ、お母さんとしては」
「はぁ? 何でだよ?」
「ユズちゃんって、昔のお父さんと同じくらい女心が分からないと思うの」
母さん……気の毒そうな視線を向けるのは止めろっての。
「仕方ねえだろ、男に女の気持ちなんて理解出来る訳ねえんだからよ。 それより、今からまた寝るから出てった出てった」
母さんを部屋の外に押し出すと、俺は速攻でベッドに飛び込む。
「あっ、駄目よユズちゃん、今から布団を洗濯するんだから。 新しい布団に替えておいてあげるから、下で朝ご飯を食べてから寝た方がいいと思うの、お母さんとしては」
それも一理あるな。
しゃあねえ、一旦起きるか。
「分かった分かった、飯食ってくるわ」
そう返事を返すと同時、母さんが嬉しそうに部屋に入ってきた。
いつの間に用意したのか、箒とちり取り、雑巾をフチに引っ掛けたバケツのお掃除セットフル装備で。
「じゃあ、ユズちゃんが下に行ってる間にお掃除済ませちゃうから」
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