0人が本棚に入れています
本棚に追加
「おっはよー!!諸君!!」
馬鹿でかい声と共にやってきたのは、ケントだった。
「…朝から元気ね」
「モチ♪俺が元気じゃなかったら、チハル寂しいだろ??」
「全然」
「うわっ!!冷たっ!!」
「チハルはケントみたいに、お馬鹿じゃないから、構ってらんないのよっ♪」
ユカリがそう言いながら、ケントの頭をポンッと叩いた。
しばらく経ってからチャイムが鳴った。
みんながダラダラと席に着いた。
ホームルームが始まった。出席を終えた先生は諸連絡をし「テストが近いのでそれに向けて、頑張るように」と言って出て行った。
私たちは、教室移動をした。
私、ユカリ、ケント、シズク君の4人で音楽室に向かう途中だった。
前から一組のカップルが歩いてきた。
「いーよなっ、同じ学校とか…羨ましいぜ!!」
とケントが言った。
そのカップルの横を通り過ぎる時、私はそのカップルの男の方と目が合った。
その男は何事もなかったかのように立ち去ったが、私は動けなかった。
私はその男の後ろ姿を黙ってみていた。
「チハル??」
ユカリに呼ばれてハッと気が付いた。
「…どうしたの??」
シズク君が心配そうに聞いてきた。
「ううん…何でもない…」
「…!!」
シズク君は私の顔を見てビックリしていた。そして何かを察したように
「ケント、ユカリ、俺らちょっと授業サボるわ。先生に言っといて。」
と言って、私の腕を掴んでみんなと反対方向に向かって歩いた。
最初のコメントを投稿しよう!