第二章

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「おっはよー!!諸君!!」 馬鹿でかい声と共にやってきたのは、ケントだった。 「…朝から元気ね」 「モチ♪俺が元気じゃなかったら、チハル寂しいだろ??」 「全然」 「うわっ!!冷たっ!!」 「チハルはケントみたいに、お馬鹿じゃないから、構ってらんないのよっ♪」 ユカリがそう言いながら、ケントの頭をポンッと叩いた。 しばらく経ってからチャイムが鳴った。 みんながダラダラと席に着いた。 ホームルームが始まった。出席を終えた先生は諸連絡をし「テストが近いのでそれに向けて、頑張るように」と言って出て行った。 私たちは、教室移動をした。 私、ユカリ、ケント、シズク君の4人で音楽室に向かう途中だった。 前から一組のカップルが歩いてきた。 「いーよなっ、同じ学校とか…羨ましいぜ!!」 とケントが言った。 そのカップルの横を通り過ぎる時、私はそのカップルの男の方と目が合った。 その男は何事もなかったかのように立ち去ったが、私は動けなかった。 私はその男の後ろ姿を黙ってみていた。 「チハル??」 ユカリに呼ばれてハッと気が付いた。 「…どうしたの??」 シズク君が心配そうに聞いてきた。 「ううん…何でもない…」 「…!!」 シズク君は私の顔を見てビックリしていた。そして何かを察したように 「ケント、ユカリ、俺らちょっと授業サボるわ。先生に言っといて。」 と言って、私の腕を掴んでみんなと反対方向に向かって歩いた。
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