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トントン。
短く息を吐き軽く扉を叩く。
「せーんせ…?雨月、です」
反応はなく、俺の声だけが廊下に響く。
いねーのか?
…扉、開いてる
ドアノブを握ればカチャリと軽い音を立てて開いた。
「しつれーしまーす…」
ゆっくりと中に入ればソファーに黒い物体。
暗くて見えないけど…
「先生?」
近付いてみればやっぱり先生で。
「はー…風邪ひくぞ」
呆れ顔でため息をつけばそっとタオルケットをかけてやる。
ふと机を見れば書きかけのレポートらしき紙。
やってる途中で寝たらしい。
「無防備過ぎんだよ」
入ってきたのが俺じゃなかったらどうすんだ。
向かいのソファーに座り相手の寝顔を見つめる。
「寝てても綺麗だな」
すっと相手に近付く。
そして
半開きの口にそっと口付けをした。
相手が起きてる事なんか気づかずに。
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