横道パラレル!!

9/34
前へ
/297ページ
次へ
「あんなの…ウソに決まってるじゃん。ぼくがジャクのこと嫌いなワケないじゃん。気づいてよ」 「無理言うなよ、今ならまだしも、あん時のオレにそんなこと出来るわけないだろうが」 リッカが吐息が感じられるほど近く、ジャクに密着する。 「……まぁ、最悪ぼくじゃなくてもいいんだよ。カノンとかジャクの好みだし、サクヤさんもタイプだよね?ヒバリも地味にゾーンに入ってると思うんだ……この人達なら全然許せるのに、なんでわざわざ見当違いのトコロへ行くかな……」 「知らないよ…オレに聞かれても」 「ジャク以外の誰に聞くんだよ……ホント、なんでアリサなの」 「言っただろう。ずっと前に遊んだことがあるって」 「ぼくはずっと一緒にいたよ」 「アイツは…アイツは可哀想な娘だかっ!?……」 その瞬間、リッカはジャクの唇を自分の唇でふさいだ。 ジャクの眼に映るのは、なぜか満足気なリッカの瞳。 「やっぱりね、安心したよ。そうだね、ジャクは昔から『可哀想な女の子』が一番好きだったもんね」 ジャクの唇から離れ、ジャクの唾液で濡れる自分の唇に指先を触れさせながら、確認するように話す。
/297ページ

最初のコメントを投稿しよう!

477人が本棚に入れています
本棚に追加