477人が本棚に入れています
本棚に追加
その中で、アリサの悲鳴だけは怪音によるものではないものだった。
「ちょっ!ジャクっ!何をしているんですかっ!!」
ジャクがアリサに正面から抱き付いていた。
「いや!違うから!怖いんとちゃうから!欲情しただけやからね!!」
焦りと必死の弁解をジャクが全身震わせながら発していた。
「……いや、怖いんだろ」
ソーマがいつも通りに言い放つが、心臓はまだバクついていた。
「怖ないってゆーてるやろうが!!待ってろよ今からアリサ・イン・ワンダーランドにオレもインッ!!」
「いやいやいやいや、意味わからん」
「もお!!いいからのいてくださいっ!!」
「グボォッ!ロ・グボロッ!?」
アリサの膝蹴りがジャクのみぞおちに炸裂し、吹き飛ばして脆くなった壁を突き破った。
★
「で、結局アリサにビビってるとこ見られたくなくて強がってただけと」
コウタが先頭を歩きながら後ろを向いてジャクに話している。
「仕方ないだろ。嫌われたくなかったんだから」
ジャクはソーマの腕をがっしりと抱きしめて進んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!