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「ふぇ?そんなこと聞いてませんよ」
アリサが怒りの眼差しをジャクに向ける。
「特務だからホントは言ったらダメなんだけどね……まぁ、大丈夫でしょう。それに言ってなかったのはお互い様だろ?」
「そっそれは…そうですけど……」
キョロキョロと挙動不審になるアリサの頭撫でて、そして、ジャクは立ち上がった。
「あっ……」
「ん?どうしたアリサ?」
「いえ……なんでもありません」
「……じゃあな」
「っん――」
軽くアリサの唇に自分の唇を重ね、それから笑顔で手を振り部屋を出ていった。
[アナグラ/ジャクの部屋]
部屋に帰ったジャクはすぐにベッドに倒れ込んだ。
アリサにロシアへ帰ると言われてから色々なことを考えていた。
アリサは自分の過去と真剣に向き合おうとしている。
そうなると、もう自分はアリサにとって必要な存在ではなくなるのではないか?
いや、それよりも自分の心の中でアリサへの想いが薄れた気がする。
リッカの言った通り、自分は結局アリサに同情していただけだったのか……
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