MRs.

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私たちの生活の中にはいつも“MEDA’ROT”というロボットが存在している。 MEDA’ROTとは何か? それを知らない人はいないって言い切れるくらい、MEDA’ROTの存在は大きなものだ。 MEDA’ROTはMEDALで動くロボット。 だから略してMEDA’ROT。 その姿は私よりも小さくて、幼稚園児くらいの背丈なのに運動神経はバツグンだし、人工知能っていうのがあるから頭もいい。 それに、大人よりも力持ちだから引越し作業のお仕事だって簡単にこなしちゃうし、他にも工場で働いたり、街の安全を守るSELECT隊と一緒に犯罪防止のための活動をしたりもする。 そうそう、うちのハレちゃんみたいに可愛いパーツをつけてレストランのウェイトレスをしたり、イベントのキャンペーンガールみたいなお仕事をしているMEDA’ROTもよく見かける。 “色々なタイプのMEDA’ROTが色んな所にいて、今も昔も、そしてこれからもずっと私達の大切なパートナーとして側にいてくれるだろう”って、これは私のパパの口癖。 ……でもさ。 たしかに、MEDA’ROTってスゴい、って思うけどさ。 全員が全員、MEDA’ROTを持ってるわけじゃないし、“MEDA’ROTが欲しい”って、思わない人だっているわけです。 現に、私、MEDA’ROT持ってないし。 欲しいと感じることもあんましないし。 だからさ…――― 「…こーゆーのがあっても困るだけなんだよね」 “小学校対抗!全国ロボトルジュニア大会~選抜チーム決めロボトル強化月間~” そう、ド派手に校舎に吊り下げられた垂れ幕を見上げて、キヨザケ タマリは大きなため息をついた。 .
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