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「二人とも、ロボトル連戦で疲れてるんだからやめな…」
「おい!クチナシ ショーガ!!」
突然投げかけられた怒鳴り声に、白熱した口論を繰り広げていたショーガもファイブもピタリと動きを止めることとなった。
何事かとタマリが声の方に目をやれば、そこにいたのはスカルのニット帽を目深に被り、いかにも柄の悪い雰囲気を醸し出している男子――クラスメートで、校内一の問題児である ジョウハク カラシがショーガとファイブのことを睨み付けていた。
その脇に負傷したチーター型MEDA’ROTを抱えて。
「なんだよ、カラシ」
『オマエさっきオレたちに負けただろ。もう用はないハズだぜ?』
ファイブが小バカにしたように肩をすくめてみせると、ピクリ、もともと悪いカラシの目付きがさらに悪くなっていく。
「用なし…、だと?
お前らになくても、俺には大有りなんだよ!あんなセコい戦い方しやがって……あんなロボトルで納得できるか!!」
「セコいって…言いがかりはやめろよ、誰が見たって正々堂々の真剣ロボトルだっただろ」
「うるせぇ!何と言おうが俺は認めねぇ!
――…いいか、全国大会に行くのはこの俺だ!俺が一番強いメダロッターなんだ!
必ずこの借りは返すからな…首を洗って待ってろ!」
そう言い捨てて、ジョウハク カラシは振り返りもせず足早にその場を去っていった。
よほど自分の敗けが悔しかったのだろうか。
“首を洗って待っていろ”なんてセリフ、生で聞いたの初めてだよー、なんて感動に近い驚きを抱いたタマリである。
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