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本部ドームの前からは中の人間が彼等を連行した。
本部ドームにいる人間は肌の色は様々だったが、目と耳と腕と足が2本ずつ、鼻と口は1つずつ、指も皆5本で、資料集で見た昔の人間の形そのままだった。
本部ドームの人々は吃驚した顔で三人を見てはひそひそ話をしていた。
中には彼等より少し年下の少年達がいて、物をぶつけられた。
本部の中に通された。
偉そうな男が「何処まで知った? 」と彼等に訊いた。
ンパが「何をでしょうか? 」と答えた。
「本部についての情報は聞いているか? 」
男は言った。
毅然とした態度でンパが答える。
「今見ただけの情報しかありません 」
「君達は? 」
二人は泣きそうになりながら「ここは怖いから家に帰りたい 」と言った。
「何が怖いのかね? 」
「皆同じ体つきでした。物をぶつけられました。変な目で見られました。ここは怖いです。シティではそんな事に遭った事がありません 」
二人は交互にそう言った。
「つまり君達も今初めて知ったんだな 」
頷く二人。
後ろにいた男に声をかけ、飲み物が運ばれて来た。
「悪かったね。私達の勘違いな様だ。これを飲んだら帰りなさい。勿論送らせよう 」
そう言って飲み物を勧めた。
二人は一気に飲み干した。
ンパも後を追って飲み干した。
先に飲んだ二人が催眠術にでもかかった様になった。追ってンパもそうなった。
男が話始める。
「君達は本部の情報を全く知らないし、入った事も無い。良いかね? 」
三人は頷く。
そのままンパの家に送られる三人。
ドアが大きな音をたたて閉じられた。
「あれ? 」
と晶が声を出す。
「何の話してたっけ? 」
グランが小首を傾げる。
「雨が降る時間なのに外にいたから僕が家に呼んだんじゃないか 」
ンパが窓辺に立って外の様子を見ながら答える。
「そうか、そうだったね 」
「なんかちょっとぼんやりしちゃってさ 」
「雨の所為だろ…… 」
ンパは外を見たまま呟いた。
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