六年

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 そして村長に教えを請うことを認めて貰おうとしているのが今の現状である。  話が逸れていたが、今いるこの世界が私のいた世界とは異なるものだということは確定したものだとしても色々と疑問が残る。  あちらの世界とこちらの世界の時間軸はどうなっているのか、季節にも違いがあるのか、国は幾つあるのか、地形は、交易は、経済は? 何故幼子の体? 帰ることはできるのか?  考えれば考えるほど、深みにはまっていく……。 「ねーねーなにしてるの?」  そもそも生まれ変わりや転生なんて事があってたまるものか。世界が違うといっても私は生きている。 「ねーってばあ」  話は変わるが、あの爺さんは案外にも頑固だった。子供の特権を駆使し、こちらがねだるように甘えても、可愛がりすらしなかった。
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