六年

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「えーとねっ、んーかくれんぼっ!」 「え、二人だけで?」 「うん!」  二人だけでかくれんぼ……なんとも空しい。しかしこの年頃の子供は何をしでかすか分かったもんじゃない。注意せねば。 「鬼はどうするの?」 「んー、どっちがいい?」 「じゃあ僕が鬼でいい?」 「うん!」  鬼が決まると、家屋の方へ颯爽と駆けていった。見てしまったのは仕方の無いことだ。  木に顔を向け、数を数える。  ああ、なんとも懐かしいこの感覚。
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