夢のまた夢

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 いくつかの夢を見た。  空を自由自在に飛んでいるものであったり、水中で息継ぎの必要がないまま泳ぎ続けたりもした。とてつもない快楽を感じる夢であったり、恐怖と絶望、負の感情が押し寄せてくる夢であったり。  色々な夢の中で、一番ハッキリとしたものがあった。それは、自分が赤子となっていて、見知らぬ格好をした人々にみつめられているというものだった。  時が経ち、意識がハッキリとしてくるにつれて感じることがあった。 ”これは夢ではなく現実であること“  何故こんなことになったのかは全く解らないが、実際に私という自我、意識があり赤子の体で動いている。  この体での両親は見た限りでは『私』の親ではなく、親戚と思われる人達も私の記憶にはない顔だった。  更に幾月が経った。  疑問に思うことは多々ある。その中でも優先して知るべきことは此処は一体どこなのか、ということである。  私は意識がハッキリしてから、赤子の体での親に連れられて村らしき所を抱えられ歩き回っていた。  その内に、まず此処は日本ではないことが分かった。赤子になるという非常事態であり見知らぬ所にいるのだ、ある程度は覚悟はしていたがやはり自分の国、故郷の町ではないということはショックだった。
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