オタクは誇り。だけど社会の埃……?

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かくして俺と天音の仁義なき戦いが…………始まらなかった。 「天音、健康のためにスポーツをしろ」 「お断りよ。私の歩む道は引きオタ道よ!」 「オタ? オタって……」 「オタクのオタよ」 「…………ただの引きこもりじゃないのか?」 「ただの引きこもりならアニメ見たりしないじゃない」 それもそうだな。だが……。 「ならなんで引きこもる必要があるんだ? アニメなら引きこもらなくても見れるだろ?」 「はぁぁぁぁぁ!?」 なんだかよくわからんが、この言葉が天音の心に火を着けたみたいだ。 凄く睨んでくるんだが、何がいけないのか全くわからないぞ。 「あんたねぇ、今の世の中膨大な量のアニメがあるのよ!? それを観尽くすには引きこもらないと不可能なのよ! わかる!?」 ごめん、全くわからない。 「それにねぇ、リアルタイムで観ないと価値がないものだってあるのよ! それを見逃さない為には引きこもる必要があるの! わかった!?」 「はい……」 気迫負けしてしまった……。しょうがないじゃないか、彼女を怒らせること自体気が引けることだし……。
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