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俺達は1-Bの教室を出る。そう俺達はみんな高校一年生。 俺だけみんなよりいっこ上だけど一年生。 「ちんたらって水無月のクラスの先生が終わるのが早すぎるんだよ…」 「違う。お前らの担任がゆるいんだ。今日だって授業遅れてきたし、忘れ物してるし」 水無月は呆れたように軽くひなたの頭を叩いた。俺はそんな二人を後ろから眺めるのが好きだ。 だって弟や妹みたいな子が仲良くしてたら嬉しい。 「いっちゃん先生は優しいから好きだなぁ~。愛嬌があるっていうか…」 「俺いっちゃんも好きだけど宮坂(みやさか)先生も好き」 「えっ!?宮坂先生っていつもジャージの女の先生!?」 「っーかむつ兄が女の話し!?」 二人してびっくりしてる。ひなたはびっくりって言うよりなんか慌てるなぁ。 「だって俺見て本気で追いかけてくるし…生徒会と同じくらい面白い♪普段やる気ないくせにさ」 「それはむつ兄が違反してるから…はぁ悪戯的な意味かよ…」 水無月は呆れたように溜め息をついてさっさと歩き出していった。なんか失礼な態度だな…。 ひなたは不安そうに俺を見て俯いた。あれ?何か言ったかな俺…。 水無月はさっさと行っちゃうし、ひなたはだんまり…俺頭良くないから分からないよ。 「…ひなた?」 「…本当に…それだけ?」 「それだけって?」 頭が良くない俺は首を傾げてひなたの顔を覗きこんだ。ひなたは耳たぶを赤くして俺の視線から逃げた。 「…何でもない」 ひなたは俺からするりと逃げて水無月を追いかけた。水無月は隣に並んだひなたの頭を優しく叩いた。 まるで仲間外れな気分なのに俺は何でか二人の背中を見て安心した。 何故か分からないけど。頭が良くない俺は二人が仲良しだと嬉しいんだ。 そして二人に加わってる時も楽しい。きっといつか二人と一人になるけど、それってとても素敵だと思うんだ。
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