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「じゃあ皆中庭に集合ねっ!」
一条が声をかけると、全員ぞろぞろと教室から出ていった。
教室に残ったのは一条と氷儷だけとなった。
「…お久しぶりです豊穣院さん。」
「久しぶりね、一条の子」
「…純血種のあなたがどうしてこんなとこに…」
「欲しいものがあるの」
氷儷は微笑を浮かべると、髪をさらっとすいた。
「あ、もちろん枢さんではないわよ。」
「じゃあ…誰を」
「秘密。
気になるなら探してみなさい。一応身体は手にいれてるから」
それだけ言うと、颯爽と中庭に向かって行った。一条はため息をつき、忙しくなりそうだなと思いながら、中庭に向かった。
「…ということは、今優姫の身体には零、零の身体には優姫の魂が入ってるんだね。」
「…信じれないと思うけど」
優姫の身体で喋る零に違和感を感じたが、二人の言ってることは本当だと理解した。
「…いや、信じるよ。
二人の言ってることは本当だし」
「理事…―」
優姫の言葉はインターホンにより遮られた。
タイミングの悪いときに、やって来た客人に苛立つも優姫は零と灰閻の視線を受けて出ることにした。
「私は零、私は零。よしっ!」
自分に暗示をかけると、扉を開けた。そこに立っていたのは、月の寮 寮長兼クラス長の玖蘭枢だった。
「玖蘭先輩…」
「こんばんは錐生くん。黒主理事長いる?」
「いますよ」
「じゃあちょっとあがらしてもらうよ」
優姫は枢を二人がいる居間まで連れていくと二人は一瞬驚いたような顔をしたが直ぐ表情を戻した。
「やあ、枢くん。どうしたんだい?」
枢はちらっと二人を見ると、直ぐ理事長に視線を戻した。
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