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「嫌。私も行く。」
「お前が行ったら危ないから言ってるんだ」
「それなら、零だって…」
零は別の意味で心配していた。優姫はそのままの意味で心配を。
「…あのな、お前は今俺の身体だ。血のにおいにかこまれたら、血を求めてしまうかもしれないから言ってるんだ」
「…零…」
要するに危ないから、っていうことで、優姫が零と一緒に校舎に向かうことは叶わなかった。
「あ、武器交換しとくか。慣れないやつだと使いずらいし」
優姫は頷くと、懐からショルダーごと肩から外し、ショルダーごと零に渡した。零も同様に腰からポーチごと外し優姫に渡した。
「じゃ、行ってくる。お前は帰っとけ。遅くなるから」
零が真剣な眼差しで言うので優姫は従うしかなかった。幸い自分の仕事は終わっていたので、零と合流したら帰ろうと思っていたところだった。
優姫と別れ、敷地内に入ると夜間部全員がグランドに居て、なにやらパーティー的なものをしていた。
「あ、優姫ちゃん。」
微笑みを浮かべながら聞いてきたのは一条だった。最初は不思議そうな表情をしていたが、事情を説明したら少し驚きながらも夜間部全員に説明した。
「あ、確かに微妙な血臭するね」
「…てか、何をやってるんですか?」
「夜間部に新しく入った子の歓迎会さ」
一条がその子ことを、紹介し、その子を指で指すと、零は昼間のことを思い出した。疼く首、思い出す血の味。
「おーい、氷儷」
「はい、なんですか?」
一条は遠くにいた氷儷を呼び、一条たちのそばに来させた。
「紹介しとくよ、こちらが風紀委員の黒主優姫ちゃん」
一条によって優姫を紹介された氷儷は首をかしげた。何かひっかかることがあるらしい。
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