第ニ夜

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氷儷は冷たい微笑をうかべると、氷の刃を手のひらから現し、零に向けて飛ばした。 零はそれを避けるが、全ては避けれなくて氷の刃が腕に刺さったりした。 「…貴様がわしのものになればこんなことやめてやるんだぞ」 「誰…っが、お前のものなんかになるか」 「ならば仕方ないな」 今度はさっきより断然早いスピードで飛んでくる。零は避けるのが難しくなるが、足や腕に刺さっても気にせず避け続ける。 相手を睨んでいるとベッドに置いてあるひとつの紙袋が視界にはいった。中から見覚えのある色がみえている。 氷儷は紙袋に近寄る零を微笑を浮かべながら見ていた。零は中身をベッドの上にぶちまけ、唇を噛み締めた。 そう、中身はあの有名な占い師の服だったのだ。 「お前っ!」 「察しの通り、全てわしが仕組んだ。最初は10人ほどのヴァンパイアでお前達を襲おうという計画だったんだが全て貴様に殺られたのでな」 「こないだのヴァンパイアの大量脱走は…、お前の仕業ってことか」 「そうじゃ、わしだ」 「…何故優姫と俺を狙った?」 零のその質問に不気味な笑いをあげながら、楽しそうに顔を悪人面にしながら答えた。 「黒主優姫を狙ったのは、零から離れてほしいため。零を狙ったのは純血種の玖蘭枢の血を飲んだお前の血を飲めば力が手にはいると思ったからだっ!」 油断していた。零が油断した隙に氷儷は零を後ろから氷で脇腹を貫いた。そしてそのまま零の首を掴み壁にめり込ませた。 「威勢がいいわね。…だが、それもここまでだ。貴様はわしに従うしかないのだから」 「…っ…」 血薔薇の銃を氷儷の首に向ける。いつでも撃てるように。 優姫はずっと窓を見ていた。夜間部に残った零が帰ってこない。かれこれあれから一時間はたつ。 「優姫…」 「理事長。零大丈夫かな…。ずっと胸騒ぎがするの」 「…零なら大丈夫だよ。もし、零が傷ついて帰ってきたなら何時ものように笑顔でお帰りって言ってあげるといい」 「う、うん」 それでも優姫の胸騒ぎは止まらなかった。優姫は何かにおうかな、と思い鼻をひくつかせたが何もにおわなかった。胸騒ぎはするのに。
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