第一夜

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本当は直ぐ片付くものだったのだが、最後に残ったヴァンパイア(10人の中で恐らくトップと思われる)が策士であり、小賢しい策をするので夜明けまでかかり、結局帰ったのは朝の6時であった。 最近そんな生活ばかり続けているため、身体に疲れが溜まり教室で殆ど寝ている。 優姫が後ろを振り向くと零が余裕で寝ていたので、澪に起こさないであげてと告げると自分の自己紹介にはいった。 「私、黒主優姫。よろしくね豊穣院さん」 「ええ、よろしくお願いいたします。」 「私は若葉沙頼。よろしくね」 「よろしくお願いします。」 二人は自己紹介すると、前を向き先生の話を聞いた。 先生の話はつまらなかったが仕方なく聞いた。 休み時間になると豊穣院澪のところにたくさんの生徒が集まり、他クラスからも澪を見ようと他クラスからもたくさん集まった。 そんな騒ぎに目を覚ました零は、またサボるため立ち上がり教室を出ていった。 「零くん、不機嫌ね」 「…多分、寝起きだからだと思う」 教室から出た零は何時もの馬小屋ではなく、木々の間を歩いていた。 何故か、身体がだるい、喉が渇く。そんな思いを抱きながら。 もちろん、血液錠剤など飲んでない…、いや、飲めないのだ。 身体が受けつけず、飲んでも吐く。 そんな生活を続けていた。 吐いても、とりあえず口に入れれば慣れて飲めるようになるかもしれない、と思いながら。 いつまでも、優姫の血を飲む訳にはいかないから。
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