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「っぐ…っ!」
「いけない子ねえ、零。私の背後を狙うなんて」
身体がアツイ。
身体と純血が反発しあう。
氷儷は零が暴れるのを自分の特殊能力で止めるしかなかった。
「落ち着いたかしら?」
「………」
零はひとしきり暴れた後、すぐ落ち着いた。
二人の周りの木々は折れており、零が暴れてる間どんなに凄まじかったかうかがえる。
零の上着やブラウスには血がたくさん付着しており、黒でもわかるくらいだった。
対して氷儷の服は首筋あたりしか汚れておらず、落とせばとれるほどだった。
「…にしても貴方の血純血くさいわね。純血種みたい。」
「…そんなわけ…」
「何人の純血種の血を飲んだの?」
氷儷の問いに零は無言だった。
もちろん言える訳がないからだ。
そんな零の様子をみた氷儷は息を吐くと、再び月の寮に歩を進めた。
「血が欲しかったら私のとこにいらっしゃい。
貴方になら捧げるわ
…玖蘭枢の血を飲んだ貴方になら」
「なっ…」
「じゃあね。零」
それだけ言うとそこから足早と去って行った。
何故氷儷が自分が玖蘭枢の血を飲んだことを知っているのか。
それが不思議でならなかった。
「…血に出てた、とかな」
零は自嘲気味に笑うと、口元を拭い、再び校舎に戻ることにしてその場を後にした。
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