哀しみの中で

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家に帰っても、楽しい事はなくなっていた。 母は父方の母と毎日笑顔で冷たい喧嘩。 父は、仕事がなくても夜まで家に居なくなった。 夕飯の時はテレビの音と箸の音だけが響いていた。 他愛もない話をしたりなんて、僕はほとんどしていなかった。 姉達はいつも忙しそうで、僕は一人で遊んでいた。 学校に行く前、学校から帰って来てすぐ、夕飯の後、勉強の合間、寝る前。 僕の覚えている範囲で、家族で遊んだ記憶は一度しかない。
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