断片的な記憶

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僕は望まれて生まれた子ではないと母が言っていた。 僕が出来たのは、父が暴力を振るったからだと。 子供なんてこれ以上要らなかったと。 僕は逆児だった。 首にへその緒が巻き付いていて、口や鼻に膜があり、息をしていない状態だった。 仮死状態のまま、未熟児で生まれてきた。 坂さ吊りにされて、尻を何度も叩かれて、弱々しく泣いたらしい。 父は初めは認めなかった。 「俺の子じゃない」と言っていたそうだ。
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